この記事では、複雑なNFT取引を汎用フォーマットを利用して登録する方法をご紹介します。
1. NFT取引について
NFTは単純な売買以外にもさまざまな形で取引・利用が行われています。現在、クリプトリンクでその全ての利用方法に対し、最適な運用を提供できているわけではありませんが、使い方を工夫することで対応することが可能なケースがございます。
以下に汎用フォーマットを利用したNFT取引ケースごとの明細登録方法をご紹介します。NFT用の汎用フォーマットの使い方も併せてご確認下さい。
Case 1:NFTゲームに使うNFTアイテムに追加投資を実施→その後売却
NFTゲームに使用するNFTアイテムを購入し、なんらかのアクション(例えば「修理」など)により追加投資を行い、その後売却を行なった場合について説明します。
Step - 1
汎用フォーマットには、購入明細を入力します。購入アイテムと追加投資は同じNFT資産名を入力してください。NFTの数量が明細を作成した個数分生成されますので、売却時には、NFT数量に全量を記載して売却明細を作成してください。
Step - 2
「NFT取引」に切り替え、汎用フォーマットをアップロードします。購入と売却の明細が作成され、二つの購入明細の取得原価を合算した額と売却額の差を収支として計算されています。
Case 2 :NFTとNFTを交換した
NFT同士の相対取引です。通常の「暗号資産」対「暗号資産」の取引では「仮想通貨同士の交換を行なった場合」で説明しているように、「保有する暗号資産」を譲渡して「別の暗号資産」を購入する、という扱いになるので、譲渡時に「保有する暗号資産」の取得原価と「別の暗号資産」の時価から算出した評価額との差が「収支」として計上されます。
NFT取引の場合も本来であれば同様の措置をとることが正しいのですが、NFT自体が基本的には一点ものであるため、「一般的な時価」というものが存在しません。よって、暫定措置として購入時の取得原価をそのまま引き継ぐ、というやり方で対処させていただきます。
ただし、現在の弊社のシステムではNFT同士の取引をそのまま登録できないため、一度決済して同額で購入する、という方法を使用してください。
例として、カードAを購入しカードBと交換する方法を説明します。
Step - 1
汎用フォーマットに以下のように入力します。
- カードAの購入明細を入力します。
- カードAの売却:売却額はカードAの取得原価と同額にしてください。
- カードBの購入:購入額はカードAの売却額と同額にしてください
Step - 2
「NFT取引」に切り替え、汎用フォーマットをアップロードします。カードAの売却明細とカードBの購入明細はこのようになります。カードAの取得原価をカードBが引き継いだ形となります。
Case 3:NFTをボーナス・キャンペーン等で無償で受け取った
暗号資産取引でもよくありますが、ログインボーナスやゲームのイベント等で無償で暗号資産を受け取れることがあります。通常の暗号資産の場合、その時の時価レートにて価値を評価し収益としますが、NFTの場合は時価レートが存在しないケースが多いので、無償譲渡された場合は取得原価ゼロとして考えます。
Step - 1
汎用フォーマットには、決済通貨にJPY、価格はゼロの購入明細を入力してください。
Step - 2
「NFT取引」に切り替え、汎用フォーマットをアップロードします。そうすると、このように取得価格ゼロの明細が作成されます。
Case 4:NFTを無償、またはなんらかの対価を払って新規作成した
NFTゲームでは購入とは別になんらかの操作で新しいNFTを獲得できることがあります(例:Mintなど)。ケース3と同様の考えとなりますが、この時のNFTの時価レートなどは存在しないため、新しく取得したNFTの取得原価は要したコストがそのまま取得原価として計上されます。
例として、NFTゲームでよく行われる「Mint」で説明します。
Step - 1
「獲得」操作ではありますが、集計処理の便宜上、汎用フォーマットには取引種別を「購入」として登録します。そのほかの注意事項として以下ご確認下さい。
- コストに他のNFTのステータス(ミント回数)などが減少する、などもありますが、金銭的評価が難しいものについては含めないこととします。
- コストに複数の要素がかかることがありますが、その際は【ケース1】を参照し、同名NFTとしての追加購入で対応してください。
Step - 2
「NFT取引」に切り替え、汎用フォーマットをアップロードします。そうすると、このように明細が作成されます。