この記事では、事業者向け取引種別を利用して登録された明細から、どのような仕訳が作成されるかについてご紹介いたします。事業者向け機能は、事業として暗号資産やNFTの取引を行っている方が活用できる機能です。事業者向け機能とは何かの説明はこちらをご覧ください。
なお、明細単位で仕訳を作成する際には、端数処理による四捨五入で資産額に誤差が生じる可能性があります。この点にご留意の上、ご利用ください。
それでは、事業者向け取引種別ごとに、サンプルを交えながら詳しくご説明いたします。
1. 売上
売上として暗号資産を受け取った場合、取引明細は以下のようになります。
例:売上10,000円を100USDCで受け取った
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/7/2 |
暗号資産 |
16162 |
売上 |
10000 |
2024/7/2 |
|
0 |
評価損益 |
6162 |
※上記金額(円)はサンプルです。
2. 売掛金・未収金の回収
売掛金や未収金を暗号資産として受け取った場合、取引明細は以下のようになります。
例:売掛金40,000円を200USDCで回収した
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/7/2 |
暗号資産 |
32310 |
売掛金 |
40000 |
2024/7/2 |
評価損益 |
7690 |
|
0 |
3. 貸付金の回収
貸付金を暗号資産として受け取った場合、取引明細は以下のようになります。
例:貸付金30,000円を300USDCで回収した
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/7/3 |
暗号資産 | 48468 | 短期貸付金 | 30000 |
2024/7/3 |
評価損益 | 18468 |
※上記金額(円)はサンプルです。
4. 経費・費用
経費として暗号資産を支払った場合、取引明細は以下のようになります。
例:経費の支払い15,000円を、200USDCで支払った
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/1/1 |
暗号資産 |
0 |
預け金 |
0 |
2024/7/3 |
雑費 |
15000 |
暗号資産 |
0 |
2024/7/3 |
|
0 |
暗号資産売却損益 |
15000 |
※上記金額(円)はサンプルです。
5. 未払経費・未払費用の支払い
未払経費・未払い費用の支払いとして暗号資産を支払った場合、取引明細は以下のようになります。
例:未払い経費30,000円の支払いを、200USDCで行った。
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/1/1 |
暗号資産 |
0 |
預け金 |
0 |
2024/7/3 |
買掛金 |
30000 |
暗号資産 |
0 |
2024/7/3 |
|
0 |
暗号資産売却損益 |
30000 |
※上記金額(円)はサンプルです。
6. 借入の返済
借入の返済として暗号資産を支払った場合、取引明細は以下のようになります。
例:45,000円の借入の返済を、300USDC で行った
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/1/1 |
暗号資産 |
0 |
預け金 |
0 |
2024/7/3 |
短期借入金 |
45000 |
暗号資産 |
0 |
2024/7/3 |
|
0 |
暗号資産売却損益 |
45000 |
※上記金額(円)はサンプルです。
7. NFT売上
自身で組成したNFTを第三者に有償で譲渡した場合、取引明細は以下のようになります。
例:組成したNFT01を売却して売り上げた
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/6/1 |
暗号資産 |
295598 |
無形固定資産 |
591 |
2024/6/1 |
|
0 |
NFT売上 |
295007 |
※上記金額(円)はサンプルです。
8. NFT組成
自身でNFTを制作した場合、取引明細は以下のようになります。
例:NFT05を自分で制作した
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/6/1 |
無形固定資産NFT |
591 |
暗号資産 |
0 |
2024/6/1 |
|
0 |
暗号資産売却損益 |
591 |
※上記金額(円)はサンプルです。
9. NFT使用
ブロックチェーンゲーム等でアイテム(NFT)を使い切った場合、取引明細は以下のようになります。
例:ブロックチェーンゲームでNFT06を使い切った
上記明細から仕訳データを作成すると以下のようになります。
取引日 |
借方勘定科目 |
借方金額(円) |
貸方勘定科目 |
貸方金額(円) |
2024/4/1 | 無形固定資産NFT | 5000 | 預け金 | 5000 |
2024/5/1 | 支払手数料 | 5000 | 無形固定資産NFT | 5000 |
※上記金額(円)はサンプルです。