この記事ではみなし取得価額とその適用方法にご紹介します。
1. みなし取得価額について
令和元年度税制改正の仮想通貨関連部分について、みなし取得価額に関する項目が追加されました。税制改正では、取得原価が不明である仮想通貨において、売却金額の5%を取得原価として計算している場合にはこれを認めると規定しています。
つまり、売却金額の5%を取得原価とみなすことができるというものです。したがって、みなし取得価額を適用した通貨に関しては、収支の計算は以下のようになります。
収支 = 売却金額 ー (売却金額 × 0.05)
当期にみなし取得価額を適用した仮想通貨は、適用した期間の収支は全て上記の計算となります。
2. みなし取得価額が使用される例
【前提】 取得原価不明(出どころ不明の預入とか)を1BTCを保有
取得原価不明の1BTCを1,000,000円で売却
現状ですと、取得原価0の通貨を売却しているので1,000,000円がそのまま所得になります。
これにみなし取得価額を適用しますと、売却価額の5%である50,000円が取得原価になりますので、
1,000,000 - 50,000 = 950,000
950,000円が所得となります。
3. みなし取得価額の適用方法
Step - 1
データ集計が全て終わっていることが確認し、右上のプルダウンメニューから「期末処理」をクリックします。
Step - 2
期末処理の画面に移動します。最初に通貨の残高を調整します。実際にウォレットや取引所でお持ちの残高と異なる場合には、実際の残高を記入してください。記入が完了しましたら、「残高調整を実行し次へ」をクリックします。
Step - 3
「みなし所得価格設定」をクリックします。
Step - 4
記載している注意事項を必ず確認してください。みなし取得価格を適用したい通貨にチェックを入れて、「適用する」をクリックします。
Step - 5
「報告書を作成し次へ」をクリックします。
Step - 6
集計情報を確認し、「次年度繰越を実行」をクリックして期末処理を完了します。
Step - 7
作成した「収支報告書」をクリックして内容を確認します。
Step - 8
こちらの取引データ集計報告書を開くと、【集計方式】のセクションに「みなし取得価額適用通貨」が記載されます。
4. みなし取得価額のキャンセル方法
みなし取得価格設定をキャンセルする場合は、適用している通貨のチェックを外し、「適用する」をクリックしてください。これにより、明細の再集計が自動的に行われます。